基本字形(二)

今回はB, S, T, Jのキーをやります。なぜこの順番かというと、頻度順に近づけようとした結果、つまりよく打ちそうなキーを早めに覚えてしまおうという魂胆です。

左下の「表示切替」ボタンを押すと西夏文字の左に打鍵の答えが表示されます。もう一度押すと答えは隠れます。

Bのキー

Bは「月」を入力するのに使います(本家倉頡と同じ)。といっても西夏文字では𘡹と最後のハネがありません。また中の横棒がない𘠒もBで打ちます。

(変換候補画面について:打鍵が同じ字が複数ある場合、矢印キーまたは PgUp/PgDn で候補間を移動し、数字キーまたはスペースキーで確定します。エンターキーを押すとアルファベットが入力されます。日本語IMEと少し違うので戸惑うかもしれませんがすぐ慣れます。)

AB 𗫲 khjij¹ 姓の一つ「卿」など
ABA 𗬆 phe¹ 姓の一つ「匹」
ABAB 𘚼 ljwɨ̣¹ 「馳せる」
BA 𘉋 ˑjar¹ 「八」
MBA 𘓬 gu̱² 漢語の「五」などの音訳
ABA 𗤓 thjo̱¹ 「妙なる」

Sのキー

Sは「コ」の字形を入力するのに使います。Bが下開きなのに対し左開きの形がSです。(本家倉頡「尸」キーと同じ。)

SBA 𗰓 ljọ² 「どこで」
SMA 𗕌 źjĩ¹ 姓の一つ「任」など
SMAL 𘛽 ljụ² 「身」
ASB 𗣁 lhjɨ¹ 「道具」
AMSB 𗣘 tśio̱w¹ 「孤児」
SAMSB 𘒀 djụ¹ 「疲れた」
ALSA 𗼚 ˑow² 姓の一つ「敖」など

Tのキー

Tは𘡊𘠬の入力に使います。現時点で打てる字に出てくるのは主に前者です。後者は次のJと組合せて使います。(本家倉頡の「廿」キーと同じ字形。)

TAA 𗑠 rjir² 格助詞「とともに」
TLLA 𗐸 sej¹ 姓の一つ「塞」など
TBA 𘁘 kwə¹ 「背後」
ATB 𗣨 thjij¹ 「衣服」
LTB 𗀸 the̱j¹ 「たゆたう」
TLBA 𗑊 ŋa² 「夜」
MTBAM 𘟇 lo¹ 「ざる」

Jのキー

Jは「十」字形の入力に使います。

TJA 𘁂 ˑja² 漢語「耶」などの音訳
JLATJ 𗍯 音不明 「木の又」 3画目は少し曲がっていますが縦画と同じ L で取ります。
BATJ 𘉓 bja² 漢語「埋」などの音訳
LLTJA 𗅹 ˑja¹ 「東、末尾」

重要なのが、T𘠬とJの組合せで𘡩を打つことです。これは西夏文字のクサカンムリとキヘンを兼ねるものにあたる1のでよく出てきます。横画はTとJ両方に跨っていますが、このように倉頡では一画を複数字形に分割して打つことがあります。徐々に慣れていきましょう。

TJB 𗚃 kiə² 「分岐」
TJBA 𗚓 tju¹ 姓の一つ「篤」など
TJAA 𗛊 śjạ¹ 「西」
TJAL 𘜭 ŋur¹ 「頭」
ATJA 𗦓 djɨ¹ 姓の一つ「尼」など
SMTJ 𗕋 lji̱r¹ 「犂」漢語の借用
AATJM 𗶠 dzu̱² 「坐る、住む」

1 厳密には𘡩はクサカンムリあるいはキヘンそのものではありません。Untangling the Web of Characters (2010) によれば、西夏文字構成要素の意味は漢字の部首に比べ可変的な様です。新たな字を作る際には2~3字の親字の部品を組み合わせることが多いのですが、その組み合わせ方次第で部品の含意が変わってしまいます。𗝠 sji「木」がたまたま𘡩を持っているため、この部品が色々な植物を表す字に使われているというのが実際のところで、𘡩を持つ他の字を親字にしている字では全く別の意味でこの部品が使われることもあります。現に今回取り上げた字は植物に関係なさそうな字ばかりです(現時点で入力できる字が偶然全てそうなっていた)。今後も記憶の助けとなる様に「この部品はサンズイにあたる」などと書くことがありますがあくまで便宜上なのでご留意ください。