收錄語彙について
- 日本語教育語彙表 v1.1 (2024.11.24)に、上方羅馬字(上方語)と教育ローマ字(v.7.0, 共通語)による發音表記を附した。なほいづれも通用する發音の例を示したものであり、規範性を志向はしてゐるものの、絕對的な基準であることを主張するものではない。全17,907エントリー。
- 語彙表の性質上、方言語彙集にしばしば見られるその方言獨自の概念は殆ど收錄してゐない反面、現代生活に必要な漢語・外來語・複合語の發音情報を多く含んでゐる。
- 讀み假名(檢索キーに使用)が明らかに間違ってゐる、乃至學習者による學習が想定されてゐるであらう讀みと異なるものはこれを訂正した。
- 接頭辭・接尾辭など固定したアクセントを持たないエントリーには發音表記を附してゐないが、削除はせず其儘とした(故に實質的なエントリー數は上記より幾分少なく、17,315エントリー)。
- 原表の品詞分類には疑義のあるものもあるが、差當り手を加へずそのまま檢索結果に表示してゐる。
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收錄語彙の一部を言語變化に即して變更した。
- 省廳名は2001年の再編前のものが收錄されてゐるため、相當する現在の省廳名に改めた。
- 「助教授」は2007年の制度變更を反映し「准教授」に改めた。
- 「懲役」「無期懲役」は2025年施行の刑法改正を反映し「拘禁」「無期拘禁」に改めた。
- 「成人病」は「生活習慣病」に改めた。
- 全データはこちらからダウンロード可能。
上方羅馬字の讀み方
- 上方羅馬字は上方語の表層形を表音主義的に表記することを第一の原則とするが、學習の便を圖るため一部に形態主義への妥協を含む。
- AP とハイフン :終助詞の前に入れるものを除き、スペースはアクセント句(AP: accent phrase)の境界を表す。AP 內の各要素は、膠着的なものはハイフンによって連結し、屈折的なものはハイフンもなしで一要素であるかの樣に綴る。ハイフンを入れるか入れないかはまだ一貫した規則が定まってゐない。
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子音字
- ş はシの子音 [ɕ]、ç はチの子音 [t͡ɕ]、ţ はツの子音 [t͡s]、j はジの子音 [d͡ʑ~ʑ] を表す。(セディーユの使用はトルコ語およびルーマニア語アルファベットを參考としてゐる。字下符を用ゐることで字上符の空間をアクセント記號專用に出來る。)
- ş ç j 以外の硬口蓋化子音は i の前では非硬口蓋化子音と同じ子音字 C により、a u e o の前(拗音)では Cy と綴る。
- 促音 :直後に子音字があればその子音字を2つ續けて綴り、なければ q と綴る。
- 撥音 :n と綴る。直後に母音字または y が來るときは分離符 ’ を付ける。
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長音と二重母音
- 後半が狹母音(のグライド)のときは半子音字 y w により綴る(ày 愛、kôy 戀/濃い)。このとき、直後に母音字が來るならば分離符 ’ を付ける(sáy’aku 最惡、çùw’óo 中央)。(すなはち母音字の後にある i u は新たな音節を開始する。âkui 惡意)
- それ以外のときは母音字を重ねて綴る。
- すなはち單長母音は aa iy uw ee oo と綴る。
- 語源主義を排し、現代假名遣のオウは後述のウ音便を除き全て oo、エイは外來語などで實際に ey と發音されうる場合を除き全て ee と綴る。
- 同じ母音字が3つ以上續くときは音節境界に分離符 ’ を打つ(kôo’o 好惡、jô’oo 女王、kée’ee 經營)。同じ母音字が2つ續き、長母音でない場合も同樣(nágá’ame 長雨)。
- 伸ばすことの出來る一拍名詞は伸ばした形で掲載する。逆に言ふと、掲載されてゐる語形が一拍のものは伸ばせない語である(çíy 血、çí 知)。
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母音脱落
- 狹母音 i u の脱落は共通語に比べて起きにくいとされるが、無いわけではない。話者による搖れが見られ、共通語の干涉もあって一貫した判斷を示すことは容易でないが、保守的に見積もって常に脱落が起きると思はれるイ段・ウ段は母音字なしで綴る。
- 脱落乃至弱化が起きうるのは無聲子音に挾まれたとき、および無聲子音と語末に挾まれたときである。特に、前が s または破擦音であり、かつ後ろが破裂音であるときなどに脱落しやすい(岡本2005)。
- i が脱落したとき、シ・チは ş ç と表記し、その他は i を y に置換へる。(áşta 明日、tékytoo 適當)
- u が脱落したとき、シュ・チュは şw çw と表記し、その他は單に u を削除する(géşwku 下宿、pâsta パスタ)。
- u の脱落により同じ子音字が連續することになった(破裂は二回)場合、促音(破裂は一回)と區別するため分離符 ’ を付ける(kák’kazoku 核家族)。
- 單獨の發音では狹母音を發音するが、複合語の要素になったときに脱落するものについては、適宜省略符 ’ を付ける。その使用はまだ一貫した規則が定まってゐない。
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アクセント記號
- 原則としては、鋭音符 á が高い音、重音符 à が低い音を表す。
- AP 先頭の á は高起式、à は低起式を表す。
- AP 中の á はアクセント核を表す。
- AP 先頭の â は高起式かつ語頭にアクセント核があること(すなはち頭高型)を表す。
- 二拍名詞語末の â は語末のアクセント核を表す。傳統的發音において、助詞が後續する場合は通常のアクセント核と同樣に、後續しない場合は下降調でわづかに伸ばし氣味で發音する。
- AP 先頭の ǎ は動詞の活用形で、低起式かつ二音節目(二拍目ではなく)にアクセント核があることを表す。
- 接尾辭に附された á は、その接尾辭によって生成された複合名詞のアクセント核がその位置にあることを表す。式の高低は前部要素に依存する。
- アクセント記號はその拍に母音字があれば母音字の上に打ち、母音字がなくて y w がある場合は y w の上に、それ以外は子音字の上に打つ(sàýgo 最後、ùçuẃjin 宇宙人、òńgaku 音樂、ryúwgaḱsee 留學生)。
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ウ音便
- ウ音便による母音交替は元の語幹の母音 V を維持し、Vw に特別な發音を與へることで表記する。
- aw [oː ~ o]
- iw [ʲuː ~ i] ʲ は前の子音を硬口蓋化する。
- uw [uː ~ u]
- ew の存在は確認されてゐない。
- ow [oː ~ o]
- 以上が長く發音されるか、短く發音されるか、どちらでも良いかは語の性質による。例として二拍動詞タ形は長く、否定繋辭タ形 çîgawta は短く、形容詞の變化動詞(~くなる)は二拍形容詞なら長く、三拍形容詞以上なら兩樣に發音される。
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用言の語幹
- 動詞エントリーの上方語欄は語幹を示す。
- サ變動詞の語幹は ś- (-s-, -z-) と表記する。
- カ變動詞の語幹は kò- (-ko-) と表記する。
- イ形容詞エントリーの上方語欄は終止形を示す。
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アクセント記號の賦與にあたって
- 共通語との對應關係が明らかなものを除き、なるべく全ての語について石油王「甲種日本語アクセント辭典」のアクセント欄、または日本國語大辭典(第二版、Japan Knowledge Lib 電子版)の發音欄(現代京都アクセント)により確認を行った。兩者が一致しない場合の取捨選擇や、どちらにも記載が無い語については管理人の內省により判斷した。
- 促音にアクセント核があると記述されてゐるものはその前の拍にアクセント核があると看做した。促音と前の拍のどちらに核が在るかは恐らく辨別的でなく、音聲上の違ひも無い。
教育ローマ字の讀み方
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分節音は日本語キーボード入力に必要な打鍵により表記される。
- 基本的に訓令式による。
- 撥音 :常に nn と綴る。
- 長音 :長音符は — と綴る。
- 和語彙と外來語彙の促音 は、直後に子音があればその子音を2つ續けて綴り、なければ xtu と綴る。
- 漢語彙(音讀み)の促音 は、その漢字を單獨で讀むときのキまたはクに由來するものであれば k と綴り、それ以外は xtu と綴る。
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母音
- イ段母音は點の無い ı で綴るのを本則とする。
- 分音符 : ä ï ü ë ö は他の母音字の後で、特殊拍でなく新たな音節の主母音であることを表す。分音符のない母音連續は長母音(二重母音を含む。以下同じ)である。
- 有點字 :點のついた i ė は母音幹動詞(上一段活用・下一段活用)の語幹末を表す。母音連續のとき、この i ė は分音符がついた ï ë と同樣に新たな音節を開始する。
- 母音脱落 :無聲子音(k s t h ky sy ty hy f)に挾まれた位置にある狹母音 ı u は前の子音の二次調音に影響したのちに原則として脱落し、發音されない(いはゆる母音の無聲化)。例外的に發音されるものを ï ü で表記する。上記の母音連續における分音符と同じ記號であるが、ともに音節主音を明示するといふ機能を持つ。
- 助詞の特殊綴り :助詞の「は」「へ」「を」は hä hë wo と綴る。
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アクセント記號
- ˈ は非下降區間の最後の拍の開始を表す。すなはち、ˈ の直後の拍がアクセント核である。
- 語末の ˈ はいはゆる無核語を表す。二拍以上の助詞がついたとき、ˈ の直後にある助詞の一拍目がアクセント核となる。
- 昨日類 :長母音の途中にある ˈ は、長母音の前半( ˈ の直前の拍)に核があり、後半から下降區間が始まる。ただしその長母音の後に何も無いときは長母音の後半を核として發音してもよい。「昨日 kınoˈu」がこれに該當する(「昨日」の音調は [昇平降] または [昇平平]、「昨日は」は常に [昇平降降])ことからこの綴りを含む語は「昨日類」と呼ばれてゐる(@xhioe 2021)。
- ˌ は條件アクセントを表し、表層の發音には關係しないので無視して讀む。
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用言の語幹
- 用言(動詞・イ形容詞)のエントリーの教育ローマ字欄には語幹を示す。
- 動詞 の語幹はその動詞が持つ語彙的アクセントを含む。これはタ形の核位置と同一である。
- イ形容詞 の語幹もその形容詞が持つ語彙的アクセントを含む。これは連用形の核位置と同一である。
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不規則用言 :語幹表示の例外として、以下のものは終止形を示し、欄末尾の (!) によりそのことを明示する。
- 變格活用動詞(サ變・カ變。ただし一字漢語サ變動詞は終止形とテ形を示す)
- タ形が不規則な動詞(「問う」などのワア行ウ音便動詞、および「行く」)
- ナ形容詞「~さう」の派生が不規則なイ形容詞(「良い」「ない」「かはいい」)
- 名詞「~さ」の派生が不規則なイ形容詞(「大きい」。·sa は語幹のアクセント指定に從ふが、ookısaˈ はこれに反して無核語)
- 前各項のいづれかを末尾に持つ複合用言
- これは、教育ローマ字では不規則用言を語幹と語尾に分けられない單一の要素と看做し、語幹だけの綴りが存在しないためである。
- 教育ローマ字についてのその他の詳細は、教育羅馬字簡介(漢語)または公式文書(一部は英語)を參照されたい。
- アクセント位置の賦與は管理人の內省によるが、判斷を迷ふものはなるべく全て日本國語大辭典(第二版、Japan Knowledge Lib 電子版)の發音欄(標準アクセント)による確認を行った。
操作
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檢索キーは正規表現を受け付ける。
- 「.」で檢索すると(多分ブラウザが一時的に固まるが)全てのエントリーが一覽表示される。
- アルファベットは大文字と小文字を區別しない。假名遣は現代假名遣による。
- 「上方語羅馬字・無圏點」はセディーユとアクセント記號を無視した檢索を行ふ。例へば「caa」は「çàa」(茶)に一致する。
- F で檢索キー入力ボックスにフォーカスする。
- Esc で單語詳細画面を開いてゐた場合閉ぢる。